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「空から降る一億の星」を日韓で比較視聴してみた!

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チョン・ソミンさんが主演している、とのことで「空から降る一億の星」を観ることにしました。

Amazon.co.jpより画像引用)

写真の左側の女性が、チョン・ソミンさんです。

チョン・ソミンさんは「適齢期惑々ロマンス~お父さんが変!?~」や「心の声」で拝見したこともあり、コメディにはまる女優さんというイメージで印象に残っていました。なかでも「心の声」は下ネタ全開の徹頭徹尾おバカなギャグドラマで、ドリフ世代のオヤジは大いに笑わせてもらいました。

ですので、そのコメディどはまりのチョン・ソミンさんがシリアスなドラマをどのように演じるのだろうか、興味がありました。

この作品が、実は日本のフジテレビで20年前に放映されたサスペンスドラマのリメイク、しかも当時(今もですが)トップスターである木村拓哉と明石家さんまのW主演だとのことです。

もともと日本の流行りのドラマは観ていないものが多いオヤジです。

ようし観比べてみよう!と思い立ちました。

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「空から降る一億の星」を日韓で比較視聴してみた!

視聴期間:2022.2.2~2022.2.16

「空から降る一億の星」(日本版)

(画像は i.ytimg.comより転載)

放送期間: 2002年4月15日~ 6月24日(フジテレビ)

全11話、平均視聴率22.6%。

キャスト

片瀬 涼 / 木村拓哉

堂島優子 / 深津絵里

堂島完三 / 明石家さんま

西原美羽 / 井川 遥
柏木直哉 / 大澄賢也

宮下由紀 / 柴咲コウ
日下圭太 / 八嶋智人

杉田琴子 / 森下愛子

あらすじ

独身の刑事、堂島完三(明石家さんま)は妹の優子(深津絵里)と二人暮らし。完三は女子大生殺害事件の担当になり、その後おきた殺人事件で、完三は知人の西原美羽(井川遥)の誕生日パーティーで出会ったコック見習いの片瀬涼(木村拓哉)に目をつける。その中で優子は涼に惹かれていく。

しかし、完三と優子、そして涼にはそれぞれ秘密があった。涼が失われた記憶を探る中、事態は悲劇へと向かっていく。

(以上Wikipediaより引用)

 

「空から降る一億の星」(韓国版)

(youtube公式チャンネル「ポニーキャニオン WE LOVE K」より転載)

 

放送期間:2018年10月3日~11月22日 (韓国tvN)

全16話、平均視聴率2.66%。

(視聴率はk-dora.netより引用)

 

キャスト

キム・ムヨン / ソ・イングク ←(日本版での木村拓哉)
ユ・ジンガン / チョン・ソミン ←(日本版での深津絵里)
ユ・ジングク / パク・ソンウン ←(日本版での明石家さんま)
ペク・スンア / ソ・ウンス ←(日本版での井川遥)
チャン・ウサン / ト・サンウ ←(日本版での大澄賢也)

イム・ユリ / コ・ミンシ ←(日本版での柴咲コウ)

オム・チョロン / クォン・スヒョン ←(日本版での八嶋智人)

タク・ソジョン / チャン・ヨンナム ←(日本版での森下愛子)

スタッフ

演出 / ユ・ジェウォン
脚本 / ソン・ヘジン
原作脚本 / 北川悦吏子

制作

スタジオドラゴン
フジテレビ
THE UNICORN

Wikipediaより引用)

 

視聴について

日本版はサブスクでは見当たらず、やむを得ずTSUTAYAでDVD全4巻を借りてきました。

TSUTAYA DISCUS利用でも取り扱いがありました。

韓国版は複数のサブスクリプションでご覧になれます。

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韓国版を5話観た時点で、日本版を借りてきて一気観しました(返却期限の関係で)。

その後、韓国版を最後まで観ました。

感想

なんてったってキムタクと明石家さんまのW主演、おまけに深津絵里!

深津絵里は現在、NHKの朝ドラ「カムカムエブリバディ」で主演を務めており、49歳で18歳の役を演じる!など演技派の女優さんとしてネットをにぎわせています。

はからずも、リアルタイムの「カムカム~」の深津さんと、約20年前の「空から~」の深津さんと同じ若さで時間の隔たりを感じさせない、このことが日本版を観た中ではエンディングの衝撃度に次ぐインパクトでした。

助演陣もそうそうたるメンバーが名を連ねています。

脚本は「ロングバケーション」「ビューティフルライフ」の北川悦吏子と、どう見てもヒット間違いなしのドラマとして放映前から大注目を集めたのでしょう、視聴率にも結果が表れているようです。

以下、ネタバレごめんなさい!

日本版主演のキムタクとさんまについて

暗い過去を背負った孤児である、人の気持ちをもてあそんで殺人をそそのかし、それに対して罪悪感を感じない、さんまが「あいつは悪魔や」と評するキムタクの役柄自体が難しいものだったと思います。

韓国版のソ・イングクが折に触れ見せる狂気をはらんだ視線や表情に比べると、キムタクは全然悪魔に見えませんでした。むしろ悪いことできない良い奴、というイメージでした。

オヤジの中では、深津絵里と出会い愛が芽生えて悪事から身を引くようになって後のキムタクと、それ以前のキムタクのたたずまいがあまり変わらないように見えました。

何しろ国民のヒーロー的存在という定位置を確立していた当時のキムタクにはある意味このドラマは試練で、その後役者として大きく飛躍する大きな肥やしになったのでは、と思います。

明石家さんまにおいても、好演だとは思いますが、芸人としてのイメージがおそらくは大きすぎたのでしょうか。

人を傷つけるシーンもあり、またコミカルなセリフで周りを和ませるシーンなど、ふり幅の大きいスタンスに相当ハードル高かったのでは、と思いました。

W主演のキャスティングありきだったのか定かではないですが、演じる側も演出側も撮影当時の苦労がしのばれる、という感想でした。

日本版の制作から約16年後に制作された韓国版との単純な比較はやはり難しいです。

韓国版の制作会社について

この韓国版ドラマはフジテレビとの共同制作という形をとっていますが、かのスタジオドラゴン制作のドラマです。

スタジオドラゴンというと、韓国メディアに疎いオヤジでも知っているほど韓国ではトップクラスの制作会社です。

同時代のドラマでも、

「トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜」(2016年)、(ミスター・サンシャイン(2018年、tvN)、
「マイ・ディア・ミスター〜私のおじさん〜」(2018年)、

そして外せないのが、「愛の不時着」(2019年-2020年、tvN)

企画においても、「アルハンブラ宮殿の思い出」(2018年-2019年)、
「キム秘書はいったい、なぜ?」(2018年)、「ロマンスは別冊付録」(2019年)、
「真心が届く~僕とスターのオフィス・ラブ!?~」(2019年)など、

名作の誉れ高き作品が無数に出てきます。

これらの作品を観て思うのは、韓国国内だけでなく、世界をターゲットにしたドラマ作りをしているのだな、ということです。

脚本、演出、音楽、どれをとっても良く練りこまれていてハイセンスで、エンターテイメントを尽くした仕上がりだと思います。

時を経て、テクノロジーや制作される背景が変わった中でリメイクされた韓国版なので、単純な比較はできないでしょう。

日韓のストーリーの違いについて

日韓のストーリーの違いは、骨組みの部分ではそう変わらないように思いました。

キムタク演じる、涼がフレンチレストランの調理見習いで、深津絵里演じる優子はそこに取材に行く出版社の編集部員です。

これに対して、ソ・イングク演じるキム・ムヨンはブルワリーのビール醸造職人、チョン・ソミン演じるジンガンはブルワリーの広告デザインを担当する会社の室長の関係です。

ストーリーの上で大きく違うのは、ラストで、キムタクと深津絵里の役が実は兄妹であった!というのに対して、韓国版ではそうではなく、殺人者の子とその殺人者に殺された親の子、という関係である点です。

韓国的な倫理観で見ればそういう展開を選んだ、ということかもしれません。

血のつながり(子の取り違え、親子の絆、身分の違いが生む亀裂と和解)に関わる話が韓国ドラマの外せないテーマであることから、韓国の企業がこの作品をリメイクしたのも、またこのように物語をアレンジしたのも大きく納得するところではあります。

まず財閥の令嬢と婚約者が筋に絡んでくるなんて、韓国ドラマの為にあるようなお話ですよね。

日本で財閥の政略結婚と縁談(あるのでしょうが)なんていうと今でもピンとこないですが、韓国を舞台にするとそれだけで妙にハマるのです。

だって財閥の血筋って韓国ドラマになくてはならない題材だもんなあ・・・。

そして、韓国人は男女ともにはきはきした国民性(というべきか)のせいか、セリフと感情表現がはっきりしていて、喜怒哀楽も非常にダイレクトに伝わってきます。

そこが実は演劇的にはわかりやすくてエンターテイメント性が高い。

チョン・ソミンさんが号泣したり、感情が爆発する場面がはっきりした目鼻立ちとあいまってすごく迫って来る感ありました。

逆に日本版ではキムタクのセリフはぼそぼそして聞き取りづらいので、家族がいる中で一人視聴するにはイヤホンが必要だった(字幕がないのでなおさら)くらいです。

リメイクはオリジナルを超えられない、という一般的な評価がおおかたですが、国と舞台を変えて、長い時を経てよみがえった韓国版は、事前情報なしにも単独でじゅうぶん楽しめるドラマではないかと思います。

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