(画像K-KININARUより転載)
韓国ドラマが日常の楽しみになってから2年ほど経つオヤジです。
1作観終わって、「次どれ観ようかな・・・」とサブスクの作品一覧を観た時に、この人が出演している作品を見つけたら無条件に観ちゃいます。
それは、イ・ユリさんです。
彼女は「マクチャンドラマの女王」の異名をとり、愛憎とドロドロあふれるこのジャンルのドラマの中で長く安定した存在感を放っている正真正銘プロの女優さんです。
そもそも、マクチャンドラマって何なのでしょう?
マクチャンドラマ(막장드라마)とは、日常では予想することができないような、非現実的なことが頻発し、展開に行き詰ったようなドラマのことをいう。マクチャン(막장)とは、炭鉱で石炭を採掘するところで、転じて「どん詰まり」という意味を持つ。
マクチャンドラマという語には、現実とは掛け離れたあまりにも無理があるストーリー展開に対して、誹謗する意味が込められていると考えられる。たとえば、不倫や近親相姦、不治の病、恋人の三角関係や財閥の家族などのワンパターンな構成が続き、どのドラマも似たような内容で、行き詰まって発展がない、という意味がこの語に現れている。
韓国のテレビ局SBSで2008年から2009年にかけて放映されたドラマ「妻の誘惑」は、40%を超える高視聴率を記録したが、一方ではマクチャンドラマだとして批判の対象となった。しかしその後、マクチャンドラマがドラマにおけるジャンルとして定着している。
(以上、Kpediaより引用)
マクチャンドラマの特徴(今までオヤジが観てきた感想をもとにしています)
大げさな設定
(例えば・・・)
一般の人々が知らないような非現実的な世界の話が良く見られる。
舞台に財閥などの上流階級の人々の暮らしが描かれているものが多い。
その中で大金持ちと貧乏人の登場人物が対峙するパターンが多く、2者間の子供の取り違え、子供が成長してからそれが判明し、復讐劇の始まりになるケースが良く見られる。
実際にはそのようなドラマばかりではなく、現在では非常に多様化している韓国のドラマ界なのですが、総体として「貧富の差」から来る「愛憎劇」「復讐譚」といった要素が、韓国ドラマの魅力だと思います。
「韓国ドラマは大げさでちょっとなあ・・・」と敬遠している方々が韓国ドラマに対して抱いているイメージが、ここに集約されているようです。
ありえない展開
(例えば・・・)
取り違えられた財閥と貧乏人の子供が成長して偶然出会い、それぞれの出自を知ってしまう。
一般人同士の取り違えじゃなくて、必ずと言っていいほど大金持ちと貧乏人、時代劇で言えば王族と貧民、こういう極端な組み合わせである。
ふつう、住んでいる世界が違うから会うこともないはずなのに、そういう展開を作っちゃうのでハラハラドキドキで目が離せなくなっちゃう。
高い橋や崖の上から落ちちゃったり、車から海に飛び込んだりと、そんなことしたらふつう死んでるだろ!という展開も多く、実は生き残っていて復讐しに戻ってきたりする。
ドロドロの愛憎劇
前述の子供の取り違えや貧富の差がからんでいるケースが多いが、不倫した側、された側(恋人を取った、取られたなども)の復讐や、元の身分を取り戻すための復讐、親を殺されたり、辱められたことの復讐で、さまざまな謀略が行われることが多い。
謀略がエスカレートしたり、やられたらやり返す、最後の最後でどんでん返し、などの展開に視聴者は目が離せなくなる。
マクチャン的要素は韓国ドラマに広く見られます
こうしてまとめてみると、こうした要素は特にマクチャンドラマに限ったものではなく、韓国ドラマには広く当たり前に見られる要素であることが改めてわかります。
だって、「宮廷女官チャングムの誓い」(2003~4年)だって、無念の死を遂げた母親の復讐を生き残った娘が成就する、という立派な復讐譚ですし、「製パン王キム・タック」(2010年)だって、大企業オーナーの妾の息子が父親の家に乗り込んで母親と自分の地位を主張していく、という物語です。
韓国という国は、大陸の中で常に大国の侵略や抑圧を受けていた小国という歴史があり、また国内においても朝鮮王朝時代のように理不尽なまでの格差社会を経験していることから、私たち島国の国民には計り知れないほど格差に対する意識が強いのではないか、と想像します。
かといって日本においてもそれらの意識は縁のないものではもちろんなく、だから「水戸黄門」の「この紋所が目に入らぬか!!」の場面を観て、胸がすく思いをおぼえたり、韓国ドラマを観て純粋に感動できたりするのだと思います。
マクチャンドラマの女王「イ・ユリ」
(画像「JIRO韓国ドラマLAB」より転載)
「イ・ユリ」(이유리)さんのプロフィール
生誕 1981年1月28日(41歳)
教育 桂園芸術大学校
職業 女優、実業家
活動期間 1999年〜現在
代理人 The Jun Entertainment
宗教 プロテスタント
受賞 2014年 MBC演技大賞・大賞(「わたしはチャン・ボリ」)他
(以上、Wikipediaより抜粋して引用)
イ・ユリさんの主な出演作
(*は主演)
「学校Ⅳ」(2001)KBS2(デビュー作)
「明成皇后」(2001)KBS2
「Loving You」(2002)KBS2
「愛と野望」(2006)SBS
「愛してる、泣かないで」*(2008)MBC
「大胆な彼女」*(2010)SBS
「きらきら光る」(2011)MBC
「福寿草」*(2012)tvN
「あなたの女」*(2013)SBS
「私はチャン・ボリ!」(2014)MBC
「パパはスーパースター!?」(2015)tvN
「凍える華」*(2016)KBS2
「適齢期惑々ロマンス~お父さんが変!?~」(2017)KBS2
「かくれんぼ」*(2018)MBC
「春が来るのかな春」*(2019)MBC
「噓の噓」*(2020)ChennelA
イ・ユリさんを満喫できるおススメ4作品!
「私はチャン・ボリ!」
(2014)MBC (全52話)TNmS平均視聴率 20.3%(視聴率はWikipediaより引用)
(Youtubeより転載)
幼少時に失踪した韓服名家の娘チャンボリ(オ・ヨンソ)が拾われた母子家庭の娘ヨン・ミンジョンを演じています。
予告編では1分15秒あたりから登場、チャン・ボリをとことん陥れる悪役を演じ、主役以上に記憶に残る演技でMBC演技大賞を受賞しています。
「福寿草」
(2012)tvN (全108話)AGBニールセン平均視聴率 5.05%(視聴率はWow!Koreaより引用)
(Youtubeより転載)
「福寿草」その可憐な花の根には毒がある・・・。 残酷なまでの寒さに耐え、氷を突き破り咲く福寿草のように大切なものを奪われたヒロインは、激しい憎愛に身を焦がす。 ヨナは親の再婚相手の妹ユラの嫉妬により、恋人ユンジェの妹の命を奪った濡れ衣を着せられる。 無実の罪で3年の投獄生活を送った後、全てをうしなったヨナは復讐の鬼となって ユラの前に現れる・・・。
(あらすじをWikipediaより引用)
無実の罪に陥れられ、マクチャン的状況に突き落とされるヒロインのソル・ヨナを演じています。
全108話の長いドラマですが、冒頭からあっという間に引き込まれ、一気見してしまいました。昼ドラにはまる主婦の心境とはこういうものか、と思いました。
「適齢期惑々ロマンス~お父さんが変!?~」
(2017)KBS2 (全52話) 最高視聴率36.5%(視聴率はABEMA TIMESより引用)
(Youtubeより転載)
マクチャンから一転、ホームコメディドラマで結婚適齢期の3姉妹の長女ピョン・ヘヨンを演じています。
イ・ユリさんが演じるのは弁護士ですが、早口で法律用語をスラスラとまくしたてる場面がしばしば出てきて圧倒されます。
素人目にも、プロ魂を感じます。これを観ると、彼女がぽっと出のアイドル上がりの女優さんとは違うと感じるでしょう。
「かくれんぼ」
(2018)MBC (全24話)平均視聴率9.4% (視聴率はsaeriho.comより引用)
(Youtubeより転載)
大手化粧品会社創業者の孫娘スアの厄を移すための生贄(!)として極秘に創業者家に育った主人公ミン・チェリンを演じています。
ねじ曲がった環境、ありえないシチュエーションの中で、自分を曲げずまっすぐに生きるヒロインを演じています。
「福寿草」路線ですが、話数が短いながら見ごたえあるマクチャンドラマで、イ・ユリさんが圧倒的な存在感です。
今後もイ・ユリさんから目が離せない!
「マクチャンドラマの女王」の他にも、「国民の嫁」というキャッチフレーズも持っているイ・ユリさん。
悪役を演じて脚光を浴びるようになった女優さんですが、マクチャンの常連となってからも、悪役だけでなく、悪役に追い詰められながらも負けずに生き抜いていくヒロインの役も多く、またコメディーに出演しても変わらぬクオリティで演技をこなすオールラウンダーであることが、出演ドラマを観ているとわかってきます。
マクチャン、コメディーを問わずどんなドラマに出ても、どんな役を演じても人々の記憶に強く残り、また主役であるなしに関わらず出演した作品すべてに確固たる存在感を放つ「ザ・女優」というべき存在だと思います。
まだまだ観ていない作品が多いので、コンプリートを目指していきたいなと思います。
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